こんにちは。
「ビスクドールの卵」管理人の こやぎ です。
今日はこの何だか分からなかったお人形について解説したいと思います。
このお人形 フローズンシャーロット といいます。
ドイツ製の白磁の人形です。
手足がくっついて氷ついたようなお人形に
見える事が名前の由来のようです。
このお人形は、アンティークドールのジャンルで、全て陶器で出来た手足の動かないタイプの「フローズンシャーロット」というお人形が原型で存在します。
作られたのは1850-1920年頃。
この「凍ったシャーロット」という不思議な名前は、アメリカのFair Charlotteというお話から来ています。
シャーロットという女の子が、凍りつく寒い日にダンスパーティに行きます。
迎えに来たボーフレンドのソリに乗る時
「暖かい防寒服を着て行きなさい」と言うお母さんのアドバイスを拒みました。
大好きなボーイフレンドにせっかくの美しいドレスを見て貰いたいのに、防寒着のコートなんか着たらドレスが隠れてしまうもの…
そのため、道中で凍死してしまった…
という残念な結果になってしまいました。
私も同じくらい頑固かも?しれませんが、虚栄心への戒めでしょうか
「お洒落のための無理はたいがいにしなさい」「親の助言は聞くものですよ」というお話です。
サイズは1インチ以下~18インチ程度までつくられたそうです。
特別な立ち姿と手の形をしていて、釉薬がかかっているものと、そうでないものがあります。
ちいさなものはドールハウス用に人気があり、またbathing dollとも呼ばれる事があるのは、お風呂に浮かべて遊ぶことも出来たからです。
アメリカで特に人気があり、お店で1セントで売られたため、penny doll(ペニードール)とも呼ばれファンも多いお人形です。
このお人形は、ヴィクトリア時代には、小さな物がバースデーケーキや、クリスマスプディング(プリンではなく、どっしり重いケーキです)の中にこっそり入れられ、子供達を喜ばせたようです。コインを入れたりもしますが、コインより清潔です。
また、アフタヌーンティーを冷ます為にもカップにいれられたとか。
子供の為でしょうか。
コレクターには人気のジャンルですが、子供用であり、お風呂でも遊ばれ…となると、現在残っているアンティークはあちこち欠けているものが大半です。
意味が分かると愛おしくなるお人形ですね。