『ビスクドールのお話』
(表紙)
ビスクドールとは陶器(ビスク)でできたお人形(ドール)のこと
人形は作家さんの手から生まれます
粘土を型に流して、乾かして焼いて
また焼いて、まつ毛を描いてはまた焼いて、何度も工程を繰り返しやっと完成します
私はジュモー
私はブリュ
私はエデンべべ
私たちはシスター
私はバニー
私はコモモ
ぼくたちはキューピー
私たちはペニードール
私はフローズンシャーロット
他にもスノードームとか
こんなのとか
こんなのとか
今日は『フローズンシャーロット』が生まれた話をしましょうか
このお人形の名前は『フローズンシャーロット』
生まれたのはドイツで1850-1920年頃と言われています
元のお話はアメリカのFair Charlottだそうです
フローズン(凍った)シャーロット
へんてこな名前でしょ?
そしてはじめからこのお人形に手足がないのには理由がありました
シャーロットという女の子が、雪の降りしきる凍りつくような寒い日にダンスパーティーに行きます
迎えに来たボーイフレンドとソリに乗って出掛けようとした時
「シャーロット、外は雪が降っていて寒いわ。防寒着を着て行きなさい」
とお母さんは言うのですが
シャーロットは自慢のドレスが隠れて見えなくなってしまうので着て行きませんでした
そのためパーティ会場に到着する前に道中で凍死してしまいました
お洒落のための我慢もほどほどにしなさいという戒めのお人形でした
次は誰のお話をしようかな